障害レベルと補助金

障害者自立支援法が施行されてからは、障害の種類に関係なく、市町村レベルで共通の制度によってサービスが提供されるようになっています。これまでは、身体障害や知的障害、精神障害といった障害の種類によって、系統が異なっていた専門施設も、一つの基準によって統一されたわけです。

 

こういった状況は、一見したところでは分かりやすくなったようにも感じられますし、その目標として掲げられているように、どんな障害でもその地域で細やかに対応できるようなれば、理想的な生活が送れそうにも思えます。しかし、実際の現場では、数々の混乱が発生しているのです。

 

現在問題になっているものとしては、入所者や通所者の障害区分によって施設に入ってくる補助金額というものが変わってくるということが挙げられます。障害区分のレベル分けと障害に対するサービスの量が見直されれたことによって、これまでよりも大幅にサービスがカットされた入所者がいる施設では、その補助金も大幅に少なくなってしまったわけなのです。

 

補助金を獲得するということは、小規模な施設や作業所にとっては死活問題となるのです。その結果として、多くの補助金が見込めない障害者は入所できなくなったり、退去させられたりするケースも出てきているのです。特に介護を必要としない軽度の障害者であって、一般の企業で働くには難があるという人たちは、全く行き場を失ってしまったわけです。