1割負担の影響

これまでの福祉や医療サービスというものは、その助成を受ける人の年収によって自身が負担する金額というものが設定されてたわけです。つまり、どんなに高額な医療やサービスを受けたとしても、自身の年収によって払える範囲での金額しか請求されなかったわけです。

 

しかし、障害者自立支援法が施行されてからは、自身が受けたサービスの値段に応じて、その1割を必ず請求されることになりました。それは医療費や施設利用費から、車椅子や装具などの購入費などにも関係してきます。装具などは、成長が早い子どもの場合などには、頻繁に作り変える必要が出てきます。大人でも、筋力が衰えることなどからサイズが合わなくなるケースも出てきます。

 

そして、施設などでの食費は全額実費負担となったのです。この1割負担が当事者の家計をかなり圧迫しているのは事実であり、常に介護を必要する障害者がいる家庭などでは、ヘルパーなどにかかる負担がかなり大きくなっているのです。その結果として、あえてサービスを受けない人も出てきています。

 

訓練や治療を受けられないことは、その障害者本人の自立をさらに遠ざけてしまいます。また、それによって家族の負担も増えることになります。お金がないために治療や訓練を受けることが出来ないような国家が、果たして福祉国家と呼べるのでしょうか。